「保育士は忙しい」って言うけど、どのくらい忙しいの?
せっかく彼女ができたのになかなか会えない…。
本当は自分のことがそれほど好きじゃないのかも。
そんな風に不安に感じる男性もいるでしょう。
保育士がどんな毎日を送っているのか、元現場保育士がリアルにお伝えします。
保育士が忙しい理由① 人手不足でいつも仕事が溢れてる
保育士不足が社会問題となっています。
国で定められた保育士の配置数も最低限の人数であって余裕は全くありませんが、余裕を持たせて保育士を配置している園は少ないです。
そして、「子供といる時間=仕事をしている時間」と思われがちですが、まったく違います。
1人で大勢の子供を見る緊張感
保育園の場合、子ども1人に対する保育士の配置数が国や市の規定で決まっています。
子どもの年齢 | 保育士の配置人数 |
0歳 | 3人に1人 |
1・2歳 | 6人に1人 |
3歳 | 20人に1人 |
4・5歳 | 30人に1人 |
身近に小さい子どもがいる人なら、上記の人数配置のしんどさが想像できると思います。
さらに、オムツ替えたりトイレを促したり、鼻水ふいたり、ケンカの仲裁に入ったり、保育中は1分たりとも気が休まる時はありません。
1日の中で保育士が忙しい時間帯
7時~9時ごろの登園時間
開園と同時に全園児が登園するわけではないので、保育士の数も限られています。
だいたい各クラスで1人が受け入れ担当で保護者から子どもの様子を聞き取り、1人が登園した子供たちをまとめてみています。
9時半~12時ごろの午前中は主活動の時間
午前保育は保育園のメイン活動の時間帯。お散歩に出かけたり、制作をしたり…。保育計画に沿って、各クラスで子ども達が楽しく元気に過ごせるように遊びます。
12時~ランチタイム
0・1歳児クラスはもっと早い時間にお昼ご飯だったりします。
お昼ご飯の配膳、手洗い、食事の介助、歯磨きなど、1人の保育士が何人もの子供をサポートします。
年齢が上のクラスの場合、担任も子ども達と一緒にお昼ご飯を食べる場合もあるので全くゆっくりできません。
昼食後~15時のお昼寝タイム
子ども達が寝てる間はゆっくりできる…なんてことはありません!
保護者がお迎えに来るまでに、全ての子どもたちの連絡ノートの記入、保育日誌などの書類仕事を済ませないといけないからです。
16時~18時の降園時間は保護者対応
保護者がお迎えに備えて、オムツを替えたりトイレを済ませておきます。お迎えに来たら、その日の子どもの様子などを口頭で伝えて引き渡し。
お迎えが重なる時間帯は次から次へという感じで大忙しです。
保育士が忙しい理由② 当然のような残業と持ち帰り仕事
ブラック企業ならぬブラック保育園という感じで、「残業はほぼありません」って聞いたのに実際はサービス残業…ということも珍しくありません。
実働8時間じゃ仕事が終わらない
多くの保育園は、朝7時から夜8時までが保育時間です。子どもたちを安全に預かるために、事前の準備や後片付け、報告業務等があります。
ですから、開園前後1時間の朝6時~夜9時が保育士の勤務対象時間になります。
もちろん、基本的には実働8時間でシフトを組むのですが、ほとんど時間通りには帰れません。
忙しくて帰れないというだけでなく、先輩から「もうあがっていいよ。」と声をかけてもらえないと帰りずらいという若い保育士も多いです。
保育現場は女だらけの複雑な人間関係があるので、自分から言うタイミングを逃してしまったりします。
襲い掛かる制作物
毎月のお誕生日カード、季節の壁面飾り、発表会で使う衣装や飾りつけ等、常に何か制作物があるという感じです。
日常保育の制作物は担当制の場合もありますが、行事に関しては全員でとりかからないと終わらないことも多いですので、持ち帰って作業することも多いです。
保育士が忙しい理由③ 年間を通して園行事が盛りだくさん
保育園は年間を通してたくさんのイベントがあります。
- 4月 …入園式
- 5月 …親子遠足、母の日制作
- 6月 …保育参観、父の日制作
- 7月 …プール開き、七夕制作
- 8月 …夏まつり
- 9月 …お泊り保育
- 10月…運動会、お芋ほり、ハロウィン制作
- 11月…保育参観
- 12月…クリスマス会
- 1月 …餅つき会
- 2月 …節分会
- 3月 …ひなまつり会、卒園式
毎月の誕生日会・避難訓練もあります。
日常の業務をこなしながら、年間を通してスケジュールされている行事の準備を並行して行わなければいけないんです。行事によっては何ヶ月も前から計画を立てて臨むものもあります。
保育士が特に忙しくなる時期
【4月~5月】新しい環境で苦労が多い時期
新入園児がどばっと入ってくる4月。進級した子供たちも新しい教室と先生に慣れずに泣いたり、職員の配置も変わったばかりで何かと落ち着かない時期です。
やっと少し慣れたころにゴールデンウィークでふりだしに戻ってしまう子どももいる中、親子遠足や保育参観の準備にも追われています。
【8月~12月】ビッグイベントが続く
夏後半から年末まではビッグイベントが続く慌ただしい時期です。夏まつり、お泊り保育(年齢による)、運動会、クリスマス会はどの園でも力を入れている行事で、準備期間も長くて大変です。
衣装や飾りつけ等、持ち帰り仕事が増える時期でもあります。
【2月~3月】年度の切り替わる準備
卒園式は保育園で最後のイベントですから、保護者からの期待も大きく、保育士も力の入るビッグイベントです。卒園クラスの担任の場合は、目が回る忙しさです。
そして、保育業務の中でも大きな比重がある「書類仕事」。次年度へ向けて、全児童の保育資料を整理したり、次年度の準備も始まります。
保育士が比較的余裕がある時期
【6月~7月】保育が落ち着いてイベントも少なめの時期
大きなイベントがないので、慌ただしさが落ち着くころです。
研修やセミナーも多い
保育園には市や区からどんどん研修やセミナーの案内が来ます。ものによっては、保育園から〇名絶対参加が必要なものもあったりします。園によっては独自の勉強会を開くこともあります。
とにかく毎月研修やセミナーがたくさんあって、保育士が順番に参加していきます。
勤務途中で研修のために外出するパターンが多いですが、残業はつきません。研修やセミナーによっては、休園日を利用して開かれるものもあります。
保育士は忙しくて恋愛できない?
- 早番・遅番ありのシフト勤務
- 残業が多い
- 持ち帰り仕事が多い
- 週末の行事やセミナーがある
忙しい、忙しいって言っても、どうにかして会う時間を作ることはできるんじゃない?って、疑うような気持が出てくるかもしれません。
確かに、仕事後のデートができない日も多いし、やっと会えても次の日早番だと早く帰らなきゃない…。でも、決して恋愛を疎かにしてるわけじゃないし、好きな人と一緒にいる時間を大切にしたい気持ちは持ってるんです。
彼氏が遊びに来てくれても仕事の山があったときは、彼氏の横で書類を書き続けてた時もありました。持ち帰りで制作していた時は手伝ってくれることもあったり…。
もちろん申し訳ない気持ちがあるので、「こんなに書類がたくさんあるんだね~、大変だ。」と応援してくれた彼の言葉に救われました。さらに彼のことが好きになりました(笑)
保育士の彼女の性格にもよりますが、忙しいのは本当なので少しでも会える時間を作るために、こんな形もあるよってことをお伝えしておきます。